クリエイターにおすすめの用途別SSD6選

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SSDっていうのにすれば速いんでしょ?

何となくそう思っている方も多いはず。

実はSSDの速度というのは規格によって違うんです。

たとえばM.2 SSDには従来通りのSATAという速くない規格があります。こういった、なんでだろうというSSDの疑問についてちょっと詳しく書いています。

前半ではSSDについてほんの少しお勉強します(よまなくてもOK)。

後半ではおすすめのSSDの紹介を「動画編集やゲームなどをする人」と「イラストやデザインなどの作業をする人」の二つのパターンに分けておすすめしています。

難しいことはいいから、どれが良いか教えて!

という方は目次からおすすめのSSDまで飛ばして読んでください。

SSDの仕組み

M.2はサイズの規格

M.2 SSDっていうのがいいの?

パソコンにあまり詳しくない人なら、こんな感じになってしまいますよね。

M.2とは外形サイズや接続する端子の数の規格で実際の速度とは関係ないんです。実際M.2規格のSATA SSDなんてモノもあります。実は速度ではなく見た目が違うだけなんです。

なら速度の違いは?

速度の違いで、NVMeとSATAを比較している人がいますが厳密には比較対照が違います。NVMeはコントローラーの規格で、比較対照となるのはAHCIという規格。ただ、SATA SSD≒AHCI規格と考えてもいいので、SATAと呼んでも問題はないです。

PCIeとSATAは通信規格、NVMeとAHCIはコントローラー規格

性能の高いSSDはM.2という形の規格であり、PCIeという通信規格で、NVMeというコントローラー規格のものということになります。

詳しいことはさておき「NVMe」のSSDは速いと覚えてください。

そして、SSDの性能は「NAND型Flashメモリー」と「コントローラー」で決まると言っても過言ではないです。

コントローラー

先にも述べたように、SSDはNANDの品質とコントローラーで性能が決まります。SMIというシリコンモーション社のコントローラーまたはマーベル社製のコントローラーの品質が高く、高性能なSSDに使われていることが多いです。

NAND型Flashメモリーについて

NAND型Flashのダイは主に4グループが生産しています。

  • 東芝・ウェスタンデジタル(サンディスク)グループ
  • サムスン
  • インテル・マイクロングループ
  • SKハイニクス

SSDは電子の出し入れでデータを認識しています

NAND型フラッシュメモリーの断面を見るとセルといわれる「絶縁膜」、「浮遊ゲート」、「トンネル酸化膜」で構成されています。トンネル酸化膜は普段は絶縁膜なのですが、高電圧を掛けることで電子を通すことができるようになります。そして、電子がトンネル酸化膜を通れるようになり浮遊ゲートと呼ばれる場所に電子を閉じこめます。これが記録の仕組みです。

では、読み出しはどうするかというと、高電圧ではなく低電圧を掛けることによって中にある電子の量を確認する事ができます。これが読み出しの仕組みです。このときに中にある電子の量で0か1の情報を判断しています。

SLC

1つのセルに1bitに相当する0か1の2つの値をを記録します。セルに電子が溜まっている状態が0で溜まっていない状態が1となります。

MLC

2bitに相当する00、01、10、11の4つの値を記録します。セルに電子が溜まっていない状態が11で、セルに溜まった電子の量を3段階に分けて満タンを00、3分の2程度溜まった状態が01、3分の1程度溜まった状態が10となります。

TLC

3bitに相当する000から111までの8つの値を記録できます。セルに溜まった電子の量を7段階に分けて、セルに電子が溜まっていない状態が111、満タンを000、7分の1程度溜まった状態が110となります。

このように、より細かく電子の量を計測することで容量を増やしてきましたが、細分化すればするほど保持する電子の量を一定に保つことなどが難しくなり、エラーが発生しやすくなるデメリットがあります。

それなら上下にレイヤー構造にすることで容量を増やせばいいのでは?という単純な考えで容量を増やすことに成功しました。これが3D NANDです。この三次元構造の技術がTLC NAND型Flashメモリーで採用されたため従来のMLCよりも3D TLCの方が耐久性が高く高性能なことが多いです。

用途別おすすめSSD

小難しい話はここまでにして、おすすめSSDを紹介します。

ここでは動画編集など性能が求められる場合と、お絵かきなどの比較的性能に依存しない場合の二つの用途に分けて紹介します。

動画編集やゲームがしたい

動画編集やゲームをするならば、速度が速いNVMe規格のSSDがいいです。性能の低いSSDだと動画編集中のプレビュー動画のコマ落ちなどがあったりします。

容量は最低でも500GBはないとつらくなる場面が多くなります。

たとえばゲームは50GBを超えるようなタイトルがありますし、動画編集も編集中のデータをキャッシュというモノにしてアクセスをしやすくしているのですが、やはり数十GB使ってしまうことが多いです。

なので、ここはケチらずに500GB以上のSSDを買うと後々になって後悔せずにすみます。

ADATA XPG8200Pro(512GB)

エイデータ(Adata) 2020年7月28日時点の価格 ¥10,574

コスパ抜群のNVMe規格のSSDといったらまずコレしかありません。品質の高いSMI社製のコントローラーにSLCキャッシュ搭載。NAND型Flashメモリーもインテル・マイクロン社製と品質も確かです。価格を考えると性能が高すぎます。

容量512GB
接続タイプPCIe 3.0 x4
コントローラSilicon Motion製
NANDメモリMicron製3D TLC
読み込み性能3,500 MB/s
書き込み性能2,300 MB/s
ランダムリード390,000 IOPS
ランダムライト380,000 IOPS
TBW320 TB
XPG8200Pro参照

WD Black SN750(500GB)

自社製のコントローラーを搭載していたり、東芝製のNANDを搭載しているなど高品質です。Western DigitalのSSDユーティリティーソフト「WD SSD Dashboard」から設定可能な、省電力機能を無効化してドライブのピークパフォーマンスを維持する「ゲームモード」が搭載されているのが特徴です。

容量500GB
接続タイプPCIe 3.0 x4
コントローラWestern Digital製
NANDメモリ64層3D TLC
読み込み性能3,430 MB/s
書き込み性能2,600 MB/s
ランダムリード420,000 IOPS
ランダムライト380,000 IOPS
TBW300 TB
WD Black SN750参照

Corsair Force Series MP600(500GB)

CORSAIR 2020年7月28日時点の価格 ¥19,440

ゲーミングデバイスで有名なコルセアからもSSDが出ています。読み込み性能は他の製品に比べてかなり高いです。そのほかにもランダム性能が高かったり、専用の大型ヒートシンクが搭載されているなどゲーミングメーカーらしいスペックにこだわった作りになっています。

容量500GB
接続タイプPCIe 4.0 x4
コントローラPhison PS5016-E16
NANDメモリ3D TLC
読み込み性能4,950 MB/s
書き込み性能2,500 MB/s
ランダムリード550,000 IOPS
ランダムライト420,000 IOPS
TBW850 TB
Corsair Force Series MP600参照

お絵かきや配信をメインにしたい

SATA(AHCI)規格のSSDがおすすめです。

SATAにはマザーボードに直付けするM.2タイプもありますが、2.5インチHDDと同じサイズの方がおすすめです。

NVMeのSSDと比べて性能が控えめなのですが、その分発熱が抑えられています。ゲームや動画編集などのシビアに性能が求められるジャンルでなければ体感差を感じることはほぼありません。

容量は250GBでもほとんどの場合足りると思いますが、できれば500GB以上にする事をお勧めします。

WD Red SA500 NAS SSD(500GB)

SATAタイプのSSDでもっともお勧めなのがこのWD Red SA500です。

元々、NASとと言われる読み書きを頻繁にする用途での使用を想定しているため品質が高いです。もちろん、普通のパソコン用に使うこともできます。

容量500GB
接続タイプSATA3
コントローラMarvell
NANDメモリ
読み込み性能560 MB/s
書き込み性能530 MB/s
ランダムリード95,000 IOPS
ランダムライト85,000 IOPS
TBW350 TB
WD Red SSD参照

WD Blue 3D SSD(500GB)

書き込み耐性はRedより低いですが、品質は高いです。

容量500GB
接続タイプSATA3
コントローラMarvell 88SS1074
NANDメモリ
読み込み性能560 MB/s
書き込み性能530 MB/s
ランダムリード95,000 IOPS
ランダムライト84,000 IOPS
TBW200 TB
WD Blue SSD参照

SanDisk Ultra 3D(500GB)

ウェスタンデジタルに買収され、パッケージだけ違うモデルで販売されています。WD Blue 3D SSDと中身は全く一緒です。買うときにどちらか安い方を選んで大丈夫です。

容量500GB
接続タイプSATA3
コントローラMarvell 88SS1074
NANDメモリ
読み込み性能560 MB/s
書き込み性能530 MB/s
ランダムリード95,000 IOPS
ランダムライト84,000 IOPS
TBW200 TB
WD Blue SSD参照

ストレージは2つあった方がいい

OS用のストレージとデータ保管用のストレージに分けた方がいいです。

なぜならバックアップにもなりますし、万が一OSに不具合が出て初期化するなんてことになったら作品のデータが別のストレージにあると楽です。

予算の都合でSSDにできない場合はHDDでもいいのでデータを分けておくと、いざというときに助かります。

まとめ

以上がおすすめのSSDの紹介でした。

少し詳しく解説しましたが、知っていて損することはありません。SSDの値段は時期などで変動したりします。そして、まだまだSSDは進化の途中です。もっといい製品が出るかも知れません。現時点でのおすすめを載せています。

これで、少しでも快適に創作ができるようになったらうれしいです。

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