デザイナーがMacを使うのってオシャレだからと思っていませんか。実は違うのです。ではなぜ、デザイナーがMacを使うのか疑問に思っている人も居ると思うので3つ理由を挙げてみました。
フォントが綺麗
これは昔から言われていますが、WEBブラウザなどの文字がMacでは綺麗に見えます。これはアンチエイリアスという処理のおかげで、Windowsでは文字がカクカクして見えますが、Macだと綺麗に見えます。これが、同じフォントでもMacの方が綺麗に見える理由です。
Windowsで文字を綺麗に標示できないのは古い環境との互換性維持だと言われています。意図的にWindowsではアンチエイリアスをかけていないのです。反対にMacでは文字を綺麗に見せる代わりに、アンチエイリアスに対応できない古いアプリケーションを次々と切り捨てているので、Macでは使えないアプリケーションが多くあります。
文字を綺麗に見せるためMacは互換性をすぐに切ってしまうのでここがデメリットにもなります。
ショートカットキーが便利
Macでは入力モードが日本語・英数どちらでもショートカットが反応しますが、Windowsでは英数モードでないと反応してくれません。
これは地味ですが、一日8時間以上PCを使うデザイナーたちにとって使い勝手の面で雲泥の差になります。
一番の違いはその歴史
DTPと印刷会社の関係という大きなところに行きます。
パソコンで印刷物をデザイン・制作するDTPが普及しはじめたのは1990年代後半です。当時はDTPに使用するパソコンはMacの一択でした。MacによるDTPが標準となっていきました。
なぜMacが選ばれたのか。
理由は、印刷環境
印刷会社がMac用のデータから受付けるようになっていたからです。DTPの普及は、デザインの現場だけでなく印刷工場の作業内容も大きく変えました。昔は手作業でやっていたことが省略されて、パソコンのデータから印刷工程で必要な刷版(印刷の原版となるフィルム)などができるようになりました。
DTP = Mac になった一番の要因は、商業印刷物を綺麗に作るのに適していたのがMacだったのです。
ではなぜMacがDTPに適していたのでしょうか。
MacとAdobeとPostScript
そもそもMacはコンピュータグラフィックでの使用に重点が置かれていたこともあります。ですが、それ以外にも「PostScript(ポストスクリプト)」というプログラミング言語との相性の良さからDTPに適していました。
PostScriptはIllustratorやPhotoshopで有名なAdobeが作ったもので、PSと省略されます。
PostScriptの特徴は図形をどのように描くか、文字をどのように置くか、色はどんな色であるかをテキスト形式で記述していることです。メーカーやソフトにかかわらず同じ印刷結果を得ることができます。
また、PostScriptはPDFの元になっている言語です。
AdobeはDTPのためにPostScriptを開発しました。
AppleはMac開発以前からプリンターにPostScriptを採用しました。そして、そのプリンターはWindowsとの互換性がなかったのです。
その後にMacが登場したことによりPostScriptと相性が良いMacでつくられたデータで入稿した方が印刷会社の手間を無くすことができるので、DTPではMacが定番になっていきました。
まとめ
デザイナーがMacを使う理由は、オシャレとか格好いいとかではなく、Macの方が印刷会社への入稿データを作る際に印刷機との相性が良かったからなんですね。
ただ、未だにデザインの現場ではMacが主流ですし、美大でもMac使っている人が多いです。
なので、デザイナーを目指すのであればMacに慣れていて損はないです。ついでにAdobeソフトにも慣れていると良いですよ。
コメント